衛生管理者について

衛生管理者とは

衛生管理者は、職場における労働者の健康障害を防止するため、労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任が義務付けられています。
事業場の業種に応じた資格（第1種・第2種）が必要であり、事業場規模によって選任しなければならない人数が定められています。

衛生管理者の職務

衛生管理者は、次の業務のうち衛生に係る技術的事項を管理します。

1. 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。
2. 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。
3. 健康診断の実施その他の健康の保持増進のための措置に関すること。
4. 労働災害防止の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
5. その他労働差異を防止するため必要な業務

また、衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければなりません。

衛生管理者能力向上教育について

安全衛生業務従事者である衛生管理者やその他労働災害防止のための業務に従事する者は、職務を適切に遂行し、事業場の安全衛生水準を向上させるために、初任時に必要な教育を受ける必要があります。また、その後も労働災害の動向や技術の進展などを踏まえて、自身の能力向上に努めることが求められます。
厚生労働省では、労働安全衛生法第19条の2に基づいて、「能力向上教育指針（平成元年5月22日付け公示第1号）」を策定しています。
衛生管理者の能力向上教育は、この指針に基づいて実施される教育であり、受講が努力義務とされています。

初任時教育と定期教育について

いずれの場合も、労働安全衛生法第19条の2第2項の規定に基づく、「労働災害の防止のための業務に従事する者に対する当該業務に関する能力の向上を図るための教育に関する指針」に示される教育カリキュラムを修了する必要があります。

初任時教育

※ウェルネットの講習が該当します

対象者

衛生管理者として業務に初めて従事する方
既に衛生管理者として業務を行っているが、さらに業務の質を向上させたい方

内容

当該業務に関する全般的事項

定期又は随時教育

対象者

衛生管理者として従事してから概ね5年が経過した方
当該事業場において機械設備等に大幅な変更があった方

内容

労働災害の動向、社会経済情勢、事業場における職場環境の変化等に対応した事項など

カリキュラム

• 第1種は1日目・2日目共に出席で修了、第2種は1日目のみで修了となります。

主な内容

1日目

• 労働衛生管理体制における衛生管理者の役割
• 事業場における安全衛生の水準の向上を図ることを目的として事業者が一連の過程を定めて行う自主的活動
• 職場巡視
• 産業医等安全衛生管理者との連携
• 法定の届出、報告書等の作成
• 労働衛生統計等労働衛生関係基礎資料の作成及び活用
• 一般作業環境の点検
• 作業標準の活用
• 健康診断及び面接指導等の対象者の把握、実施結果の記録及び保存並びに実施結果に基づく事後措置等
• メンタルヘルス対策
• 健康の保持増進の進め方
• 救急処置
• 教育の進め方
• 健康障害発生事例及びその防止対策

2日目

• 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置
• 健康障害発生原因の調査
• 作業環境測定及び評価
• 局所排気装置等労働衛生関係施設の点検
• 労働衛生保護具の適正使用及び保守管理
• 労働衛生関係法令
• 事例紹介